私が行ったロースクールでは生徒全員の顔写真を掲載したアナログ版「Facebook」というものがあった。生徒一人一人の「名前」「出身大学」そして「出身地」が書かれている。つまり、どこから来たかは基本情報一つ。ふと考えると、これって力士の紹介に似ている。土俵にあがる時、テレビ画面に出るのは四股名、所属部屋、そして出身地。
というのはさておき、今日は「モノの出身地」の話。何でできていて、ブランドは何で、そしてどこから来たのか。「Made in ...」が必ず刻印されている。これって、消費者としては結構重要な情報だったりする。どこで作られているのか知りたいし、購入判断にも大きく影響する。
「Made in...」表示、法的には「Rule of Origin」という。モノの「起源(Origin)」の表示に関わる最初の法規制は大元をたどると1930年に遡る。
「Smoot-Hawley Tariff Act of 1930」がこれに当たる。その名の通り、基本的には関税法。制定当時の関税関連規定(関税率や対象品目)の殆どがその後撤廃もしくは改正されているが、大枠はそのまま残り、今でも関税および国際通商に関わる規定を展開するプラットフォーム的役割を担っている。(出典:Wikipedia)
法案の制定は1930年だが、最初に下院で起案されたのは1922年。8年越しで議論していると当然、その間に時代背景も動いている。1928年末には第一次世界大戦後の食料不足や拡大する貧困を克服する公約を掲げたフーバー氏が新大統領に当選、翌1929年秋には世界大恐慌が始まっている。フーバー大統領が議会に最初に提案した改正案は農産物の関税を引き上げ、逆に産業物資では引き下げるという「アメリカ農業・農家保護」を目的としたものだった。ところが、広がる不況の風を受け、「私も、私も」と同様に保護を求める声が随所からあがり、収集がつかなくなったらしい。
最後には農作物だけでなく全ての産業物資の関税を引き上げるという「超保護政策」的内容となってしまった。反対の声ももちろんあり、フォード自動車のHenry Ford氏はホワイトハウスに泊まり込んでフーバー大統領に直訴したらしい。(上記引用のWikipediaより。)(ホワイトハウスに泊まり込めること自体がさすが、という感じですが。)
そんな保護政策は国際通商のルールに照らして、あり得ない!と大変な反発がおこり、各国が米国への報復関税を導入するという一大「関税鬼ごっこ」が起こった。その結果、政府発表の統計によれば1929年から1934年の5年間で国際貿易取引が66%減少するというとんでもない状況になってしまった。これが大恐慌を長引かせた要因の一つ、という見方もあるようだ。閉鎖的な保護政策は「悪」。逆に、オープンに物・人が国際的に流通することが「善」といった議論の際にこの1930 Tarriff Actが過去の反省材料として未だに引用されるようだ。
話をもとに戻すと、1930年関税法のSection 1304 「Marking of imported articles and containers」に「原産国表示義務」が規定されている。
"Every article of foreign origin (or its container) imported into the United States shall be marked in a conspicuous place as legibly, indelibly, and permanently as the nature of the article (or container) will permit in such manner as to indicate to an ultimate purchaser in the United States the English name of the country of origin of the article."
原産国表示義務はモノによって今ではいろいろあり、たとえば自動車だったら「パーツはどこどこから来て,、組み立てはどこどこで行った」という表示になるし、食品も最近ではさまざまな表示規制がある。どこから来たのかに留まらず、オーガニック表示とか魚だと前に冷凍されていたのか。などなど。多種多様の表示規制があるがここまで調べるとなると本が書けるのでこの辺でやめておこう。
「Made in...」表示、法的には「Rule of Origin」という。モノの「起源(Origin)」の表示に関わる最初の法規制は大元をたどると1930年に遡る。
「Smoot-Hawley Tariff Act of 1930」がこれに当たる。その名の通り、基本的には関税法。制定当時の関税関連規定(関税率や対象品目)の殆どがその後撤廃もしくは改正されているが、大枠はそのまま残り、今でも関税および国際通商に関わる規定を展開するプラットフォーム的役割を担っている。(出典:Wikipedia)
法案の制定は1930年だが、最初に下院で起案されたのは1922年。8年越しで議論していると当然、その間に時代背景も動いている。1928年末には第一次世界大戦後の食料不足や拡大する貧困を克服する公約を掲げたフーバー氏が新大統領に当選、翌1929年秋には世界大恐慌が始まっている。フーバー大統領が議会に最初に提案した改正案は農産物の関税を引き上げ、逆に産業物資では引き下げるという「アメリカ農業・農家保護」を目的としたものだった。ところが、広がる不況の風を受け、「私も、私も」と同様に保護を求める声が随所からあがり、収集がつかなくなったらしい。
最後には農作物だけでなく全ての産業物資の関税を引き上げるという「超保護政策」的内容となってしまった。反対の声ももちろんあり、フォード自動車のHenry Ford氏はホワイトハウスに泊まり込んでフーバー大統領に直訴したらしい。(上記引用のWikipediaより。)(ホワイトハウスに泊まり込めること自体がさすが、という感じですが。)
そんな保護政策は国際通商のルールに照らして、あり得ない!と大変な反発がおこり、各国が米国への報復関税を導入するという一大「関税鬼ごっこ」が起こった。その結果、政府発表の統計によれば1929年から1934年の5年間で国際貿易取引が66%減少するというとんでもない状況になってしまった。これが大恐慌を長引かせた要因の一つ、という見方もあるようだ。閉鎖的な保護政策は「悪」。逆に、オープンに物・人が国際的に流通することが「善」といった議論の際にこの1930 Tarriff Actが過去の反省材料として未だに引用されるようだ。
話をもとに戻すと、1930年関税法のSection 1304 「Marking of imported articles and containers」に「原産国表示義務」が規定されている。
"Every article of foreign origin (or its container) imported into the United States shall be marked in a conspicuous place as legibly, indelibly, and permanently as the nature of the article (or container) will permit in such manner as to indicate to an ultimate purchaser in the United States the English name of the country of origin of the article."
(米国に輸入される物品(あるいはその入れ物)は最終購入者に分かり得るような方法で、原産国を(英語で)表示しなければいけない。表示は恒久的かつ明確でなければいけない。)
関税対象物品であるか否かは別として、アメリカに入ってくるものはとにかくすべて出身地を明確にせよ、というルール。違反者には課徴金だけでなく、懲役をも含む罰則があり、結構シリアスだ。
関税対象物品であるか否かは別として、アメリカに入ってくるものはとにかくすべて出身地を明確にせよ、というルール。違反者には課徴金だけでなく、懲役をも含む罰則があり、結構シリアスだ。
原産国表示義務はモノによって今ではいろいろあり、たとえば自動車だったら「パーツはどこどこから来て,、組み立てはどこどこで行った」という表示になるし、食品も最近ではさまざまな表示規制がある。どこから来たのかに留まらず、オーガニック表示とか魚だと前に冷凍されていたのか。などなど。多種多様の表示規制があるがここまで調べるとなると本が書けるのでこの辺でやめておこう。
それよりも面白いのは「ブランド」としての工夫が施された出身地表示。昔は「安かろう、悪かろう」の代名詞だった「Made in Japan」。今では品質やセンスの良さを感じるブランドになっていると思う。(SONYの盛田昭夫氏の自伝、「Made in Japan」というのもありましたね。)
中国人の知人が田舎に持っていくおみやげを買うのに難儀する、と言っていた。Made in Chinaモノは持っていけないし、かと言ってMade in Americaモノはあまりないし。。。アメリカ産のものと言えば「Made with Pride in the USA」という赤白青の国旗マークつきのものを時々見かける。大学のアパレルとか、メジャーリーグ系ロゴ入りスポーツグッズで多い気がする。この辺ってたぶん、アメリカ製をとくに推奨しているのでは、と予測する。出身地に基づいた「特別待遇」みたいなものかな。
あとはApple製品の「Designed in California by Apple, Assembled in China」とか。アメリカで売っているLacosteのポロシャツは「Designed in France, made in Peru」と書かれている。出身地は正直に書かないといけないけど、同時に「かっこ良く」見せることだってできる。
かっこいい「ブランド出身地」といえばやっぱりフランスとかイタリアのヨーロッパ系が主流かも。以前、「Made in Italy」の定義をめぐるこんな話もあった。イタリア製というのはイタリアで、イタリア人の手が施される必要があるのか?イタリアで、でも中国人労働者が作っていてもMade in Italyなのか?あるいは最後の一工程がイタリアで行われるならいいのか?それでも「イタリアの魂」が宿る、イタリア製と言えるのか?と。
そこまで突き詰めていくとキリがないような。。。 最後は表面上の「出身地表示」よりも中身で勝負したいところだが、モノによっては「どこどこ産」そのものが商品価値となっているため、よりオーセンチックな出身地ストーリーが必要になる。
ちなみに、モノの場合は出身地をベースに差別したり(=関税をかける)、優遇したりするのはいいけど、人間に対してこれをやるのはアメリカではご法度。「国籍や出身をもとに差別をしていけない」ルールが社会の随所に浸透しているので、「Where are you from?」やそれに相当する質問は場合によって(例えばJob interview)不適切となるので注意要です。それこそ、出身という「上っ面情報」よりも中身で勝負、というメッセ-ジングでしょうね。

1 comments:
あなたに神を愛しています。聖書を読んでください。
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