2009年1月19日月曜日

Martin Luther King's Birthday

今日は1月の第3月曜日。アメリカではMartin Luther King Jr. の誕生を記念する日としてFederal Public Holidayに指定されている。(日本では「キング牧師誕生日」として知られる。)2月の第3月曜日には「President's Day」があって、こちらは偉大な功績を残した大統領の誕生日を祝すもの。そして12月25日のクリスマスはイエス キリストの誕生日。つまり、キング牧師はイエス様、ワシントン大統領/リンカーン大統領にならぶ歴史上の偉人としての位置付けになっている。キング牧師の偉業の歴史的重さを改めて、考えさせられる。

キング牧師は公民権運動の黒人指導者として知られ、1963年夏に彼が率いた「 March on Washington」はその後のCivil Rights Act (公民権法)そしてVoting Rights Act (公正選挙権法)の制定への大きな布石を作った。アフリカ系アメリカ人を中心としたデモ行進が南から北へと向かい、最後は首都ワシントンDCのリンカーン記念堂に終着した。キング牧師の有名な「I have a Dream」スピーチはここで発表されたもの。翌64年にはノーベル平和賞受賞。わずか35歳、最も若い平和賞受賞者だった。そして68年に訪問先のテネシー州メンフィス市のホテルのバルコニーで暗殺されている。

キング牧師の偉業への敬意を表すための公的祝日を制定する動きは牧師の死後10年以上経ってから。Federal Public Holidayにキング牧師の誕生日を加えるための法案は1983年に上下両院の特別決議を経て制定された。議会を通過した法案は次に当時のレーガン大統領の承認を経て正式に法律になるが、最初レーガン大統領はこの祝日制定に反対であった。議会は再び法案検討、大統領による否決(Veto)が不可能な「超多数決」決議を行った上で再度レーガン大統領の署名を求めたという紆余曲折があった。

アメリカは「連邦制度」のため、連邦法がそのまま全米50州に適用される場合ばかりでない。この日も全50州が足並み揃って祝日化したのは2000年のこと。

簡単に説明すると、連邦法と州法の間には「棲み分け」の部分があり、連邦法を導入するかどうかは各州にゆだねられている。上記の法律は「Federal Public Holiday(連邦公休日)」として制定されているため、直接的には連邦政府公的機関およびその従業員に適用されるもの。しかも、祝日制定の条文は連邦政府従業員の「就業規定」を定める法律の一部だ。就業時間はこれこれ、休みはこれこれ、といった内容のところに「公的祝日として以下の通り定める:1月1日(正月)、1月の第3月曜(キング牧師誕生日)。。。」というように。

(ちなみにFederal Public Holidayの歴史は1870年にさかのぼる。その当時は就業規定というより「祝日制定法」という感じで、お正月、独立記念日、サンクスギビング、クリスマスの4日だけだった。)

最後まで祝日化を拒否していたのはアリゾナ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州だった。特にアリゾナでは色々と議論をよんだらしい。1990年には公的祝日化するための住民投票が行われたが、結果は負け。その結果に対し不服を表すると、アリゾナ州で開催が予定されていたNFLスーパーボウルのボイコット運動にまで広まった。

2008年大統領選挙の共和党候補として有名なジョン マケイン氏。彼はアリゾナ州上院議員だが、彼も「キング牧師誕生日祝日化反対派」だった。その後世論の流れに押されたのか擁護派に転換したが。

そんな紆余曲折を経て、今ではその地位も確立されてきたキング牧師の祝日。今年はさらにその意義が深い。明日(1月20日)は大統領就任式。バラック オバマ氏が44代目、初の黒人大統領として就任の宣誓を行う。その歴史的瞬間をアメリカ全土のみならず世界が固唾をのんで見守るだろう。