今週のニュースはなんと言っても、初の黒人大統領としてBarack Obamaが選ばれた、歴史的な米国総選挙。大統領選に加え、上下両院で半数の議員が改選対象となった今年、共和党と民主党の勢力図が民主党よりに大きく塗り変わった年だった。各州レベルでも知事や州議会の改選、そして多くのProposition(法改正案への住民投票)への有権者の判断が求められた。カリフォルニア州では社会的インパクトの高いPropositionが複数あり、大統領選と同レベルの注目を集めていた。そのうちの一つは「飼育家畜に関する基準引き上げ」というもの(Proposition 2)。63%の支持を経て通過、2015年に新基準が施行されるため、家畜業者はそれに見合うべく飼育施設のスペース拡充(もしくは家畜頭数減少)等の準備が必要となった。
日本もペット愛護国として知られるが、アメリカもペット大国だと思う。Small Business Trendsが引用する数字(2007年)は、アメリカ人がペットにかけるお金は食事やグッズ関連に$10 Billion、ペットサービスに$3 billion。大きな産業だ。ペットだけでなく、一般的な動物保護にも熱い。
そんな背景もあって、ペットや動物保護関連を専門にする弁護士もいる。全米弁護士協会 (American Bar Association)にはAnimal Law Committeeがあり、州やカウンティー レベルの弁護士会にもAnimal Law 専門グループがある。米国動物保護法律団体も存在し、動物保護のための法改正や訴訟に手助けをする。(Animal Defense Fund ちなみに、California Prop 2の主要援護も担った。)
さて、ペットオーナーの誰もが心配するのは、自分が亡き後のペットのケア。遺言にその詳細を託す人は少なくない。本職弁護士が提供する「ペットのケア契約書の書き方指導」ウェブサイトもある。
愛犬のお世話マニュアルも大事だが、ケアに要する費用はどうする?最近大きな話題になったのはニューヨークのの悪名高きホテル女王、レオナ ヘルムズリー。ポーランドからの貧しい移民家族出身の彼女はその後数度の離婚/再婚を経てヘルムズリー氏と結婚、NY屈指の高級ホテル会社のトップに君臨するにいたる。「Queen of Mean」と知られ、従業員への冷たい扱いは有名。その後脱税容疑で有罪判決があり、19ヶ月の禁固に服した経緯も良く知られる。晩年の彼女はニューヨークで比較的ひっそりとした生活を送っていたが、そんな日々を癒してくれたのは愛犬のTroubleだった。
レオナは2007年に死去、遺書には$12 Billionを愛犬の今後のケアのために託していた。この$12 Billionをめぐる法廷争いが繰り広げられた結果、判事の決断はTroubleのケアに$2 Billion、残りの$10 Billionは動物保護のために寄付、というもの。それが亡き彼女の意志にもっとも近いものだと。(ちなみにこの遺言訴訟判決には遺言から外されていた二人の孫に計$6
Billionの遺産分配も含まれていた。)
ペットや動物を巡る訴訟例は他にも沢山ある。去年42歳で亡くなった芸能チンパンジー、Washoe。手話で人間とコミュニケートできる初の動物として多くの人に愛された。10年ほど前、高齢に達する彼を生物リサーチに提供する話が持ち上がった。これは彼の「人格」に反するとして彼を保護する「Trust(信託ファンド)」をつくり、「Guradian(保護人)としてある個人が指名された。ところがその州の法律上、「保護人が保護する対象は『人間』しか認められない、よってそのTrustは法的に有効ではない」とTrust自体が却下される判断に。チンパンジーと人間の生物学的類似性を強調した訴訟の結果、Trust側の勝訴に。その後全米各州で動物対象Trustを法的に認識する法令が通過。動物の「法的人格」が確立するにいたっている。
さて、ヘルムズリー女史の遺言に話を戻すと、そこにはまだ解決に至っていない難問があるらしい。彼女の遺言には「Troubleが死んだら、私と一緒にヘルムズリー家の墓に入れるように」との指示が残されていた。ところが墓地のルール上、人間以外の埋葬は不可、となっている。一方のペット墓地には「ペット以外は駄目」とのルールが存在しないため、一緒の墓にどうしても入りたい場合はレオナの亡骸をペット墓地に移動というオプションが存在しなくはない。それもどうしたものか。というわけでこの問題はまだ未決。これから墓地を相手取った訴訟が展開されるのだろうか。

1 comments:
うちにもホモサピエンスが2匹います。なかなか手がかかります。がはは。
最近、バケットリストという映画を観て、最後山に葬るシーンがあるんだけど、あれって違法ってしらなかった~。
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